EFFECT

生活動線を安全にする

暮らし

 

植物による安全計画

1.衝突防止

 

抜け感のある階段は開放的で奥行きを見渡せるので空間が広く感じられます。それ故に、視線が奥に行き過ぎて目の前の踏み板に不注意になりがちで衝突の危険性があります。植物を置くことで、視線をしっかりと目の前の植物に行かせることができ、衝突を未然に防げます。

 

 

夢中になっていると目の前が見えなくなることで、足や頭をぶつけたことは誰でもあるかと思います。ソファーの横にステキな木の造作テーブルがあります。小さな子供が遊びに夢中になってぶつけないように、蔓の長い植物を置いています。また、北側斜線などで屋根勾配が制限されることがあります。ひとつの植物を勾配に合わせた場所に置くだけで、注意を払うことができるでしょう。特にマンションのリノベーションは、床の段差が出やすくなりますので、その段差のある場所に植物を置いてあげると衝突の抑制につながります。

 

2.目隠し(パーテーション)

 

視線遮断のためのカーテンやブラインドなどが、場所によっては野暮ったくなることはありませんか。そのような時に、植物を使った目隠し効果を利用すると良いかもしれません。そのためには、ただ植物を置くだけではなく、葉が茂って適度に蜜になりやすい特性をもった樹種を選定することが大切になってきます。あとは、窓なので方角によっては明るさや寒暖との関係性も考慮した樹種選びが必要になってきます。目を凝らして見ないと内外の様子が分からない程度が、明るさや人の気配を感じるのにちょうど良いです。写真は、小さな窓になりますが、掃き出し窓や腰窓でも同じような効果が得られます。

 

コロナ禍でテレワークが推奨され、ご自宅でお仕事をされる人が増えています。仕事はしたいけど、邪魔はされたくない。けれども、家族の気配は感じていたい、そのような都合の良い環境づくりに植物を利用してみてはいかがでしょうか。写真は小上がりになっていて、TVの下は収納ケースになっています。デスクに座ると頭が出る程度で、植物が目前にあるので顔が見えたり見えなかったりします。また、植物自体の効果も見逃せません。電磁波などの化学物質は日常生活で当たり前のように出ています。このような揮発性有機化合物を除去して空気浄化効果を高めることが、テクノストレスを回避する手段のひとつになります。

 

3.その他

 

小さな子供たちは、何も恐れずに走り回りモノを手で叩いたり蹴飛ばしてみたり、そうやってこれは危ない、これは大丈夫などの判断をして成長していきます。写真の器は、ポリストーンという樹脂に石粉を合成した素材で、見た目は陶器のような質感ですが、実は軽量で女性でも片手で持ち上げられるくらいで、鋭利な物で叩かない限り、ぶつかっても割れにくいのが特徴です。また、吹き抜けなどの空間は子供にとっては最高の遊び場になるかもしれません。落下防止のために植物を配置して、乗り出せないような工夫も必要かと思います。今現在は、ネットと植物の兼用で安全対策を施しています。