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植物の光合成と生理機能

機能と役割

植物の生長に欠かせない光合成

Illustration:rinko

動物は自ら移動して食物を探し求め、体内に取り入れて生きるエネルギーを得ることができますが、植物は動くことができません。そのため、植物は太陽の「光」と空気中の「二酸化炭素」、根から吸収する「水」から生きるエネルギーを獲得します。
この「光」「水」「二酸化炭素」を使って、植物がエネルギー(糖分)をつくりだす仕組みを「光合成」といいます。

植物が光合成を行う器官

葉緑体

出典:wikimedia

植物の葉には「葉緑体」とよばれる光合成に必要な細胞小器官があり、光合成はこの中で行われます。
葉緑体には緑色色素の葉緑素(クロロフィル)を含みます。植物の体が緑色なのは、葉緑素を持つからです。

光合成の2つの仕組み

植物に太陽光が当たると、葉の葉緑体で二酸化炭素と水を合成して「ブドウ糖」と「酸素」をつくりだします。
▼光合成の化学式
6CO(二酸化炭素)+ 12H2O(水)→
C6 H12O6 (ブドウ糖)+ 6O2 (酸素)+ 6H2O (水)

1. 酸素の生成

植物に光が当たると、それをエネルギー源として葉緑体で光合成が始まり、根から吸い上げられた水を分解して酸素をつくりだします(このとき、ATPとよばれるエネルギーが生産される)。
※光とは太陽光のこと。室内栽培では太陽光の代わりにLEDなどの照明が使われる。
※ATPとは、アデノシン5′-三リン酸(adenosine tri-phosphate)の略称。

2. ブドウ糖の生成

葉から二酸化炭素、根から水を吸収し(ATPをエネルギー源として)ブドウ糖(炭水化物)をつくりだします。このブドウ糖は、合成されてショ糖となり、茎の維管束の師管を通って芽や根、果実、ほかの葉へ分配されます。これを転流(てんりゅう)といいます。転流は24時間行われていますが、光合成が行われて光合成産物が葉に多く蓄積される昼間から夕方に活発に行われます。
※維管束とは植物の内部組織のひとつで、水や養分を運ぶ通路機能のほかに、葉・茎・根など植物の各器官をつなぎ支える組織。
※師管とは光合成でつくりだしたエネルギーを運ぶ維管束の構成要素のひとつ。

植物の生長を支える植物の生理機能

光合成は植物体内でエネルギーをつくりだし植物の芽や果実などを生長させる栄養分を生成しますが、そのほかにも植物が生きていくために欠かせない呼吸や蒸散などの大切な生理機能があります。

「気孔」3つの役割

気孔

出典:wikimedia

植物の葉には「気孔」という組織があります。気孔は口のような形をした、一対の孔辺細胞から成り立ちます。
気孔は周囲の環境に合わせて自在に開閉する性質があり、通常太陽の光を浴びる日中に開き、夜になると閉じますが、湿度も敏感に感じとります。例えば強風や雨上がりなど、急に外気の湿度が低下すると体内の水分を保つために気孔が閉じるようになっています。

1. 光合成

気孔から外気の「二酸化炭素」を取り込み、「酸素」を排出する光合成を行います。

2. 蒸散

植物は気孔から水分を排出する「蒸散」という現象で、植物体内の水が減少した圧によって根から水分や窒素やマグネシウム、カルシウムなどの無機肥料分を吸収し、道管とよばれる組織を通って水と一緒に芽や葉、全身に行き渡らせ生長を促します。
また、蒸散による気化熱で葉面温度を下げることもできます。周囲の気温が高いと気孔は大きく開き、盛んに蒸散します。
※道管(または導管)とは、水分や養分を運ぶ維管束の構成要素のひとつ。

3. 呼吸

植物も動物と同じように呼吸をしています。
呼吸は気孔から「酸素」を取り込み、「二酸化炭素」を出します。呼吸によって、光合成でつくられたブドウ糖を分解して、植物が生きるために必要なエネルギーを植物体内に取り入れています。
ちなみに、気温が高くなると呼吸の量は多くなります。呼吸量が多くなることで蓄積されたブドウ糖が減少し、エネルギーを消耗します。
夜間や曇天で温度が高い日が続くと植物の生長の勢いが弱くなるのは、呼吸量に対して光合成量が少なく、体内のブドウ糖が足りなくなることが原因です。

引用:AGRI PICK

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