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植物が人のパフォーマンスを上げる

導入事例

南青山の静閑な住宅地にあるオフィスビル。新たに入居するにあたり、コーディネートのご依頼をいただきました。わたしたちは、住宅に特化したコーディネートをしていますので、そこで培ったノウハウをオフィス空間に落とし込むことで、通常のオフィスのグリーンとは少し違った雰囲気になったと思います。お客様からは、「想像以上の出来で、スタッフ一同喜んでおります!」とお声をいただきました。このたびは、ご依頼をいただきましたこと、また現調から納品、管理レクチャーまでお時間をいただきましたこと併せて御礼申し上げます。誠にありがとうございました!

 

【お客様のご要望】

・窓側は向かいにマンションがあるので、目隠し効果を持たせたい
・緑豊かな雰囲気がいい
・オシャレな空間にしたい

施工前

施工後

【POINT】

ヒアリングの際は、入り口に大きなサイズの植物で中があまり見えないように目隠しにしたいとご要望がありました。そこで、わたしたちは存在感のある低めの樹種をご提案。理由は、人の目線は一番目立つモノや色彩に真っ先に行く特性があり、オフィス内を見渡す行動がなくなりますので、動線の邪魔になる恐れのある大きな植物は必要がないと判断しました。スタンド付にすることで、抜け感が生まれ背丈の低い樹種でも高さを確保できるメリットがあります。背丈を低くしたことで空間の奥行きは確保され圧迫感がなくなりました。

施工前

施工後

【POINT】 

テーブルとソファが置いてあるスタッフの方々の寛ぎのスペースとして考えました。植物は4~5種類で石と組み合わせて、自然の中で深呼吸しているような空気感を出しています。このような高さのない器は、通常はキャビネットやラックに置くことが多いですが、あえて床に直置きにしています。理由は、自然にある植物のほとんどは地面から生えていて、その感覚に近づけるためです。最初は違和感があるかもしれませんが、時間が経つに連れて不思議としっくりくるようになります。人は自然とつながりたい思う本能的欲求があるバイオフィリアという概念があります。植物、石、水景、木枝などの自然要素を入れると素材感が出てきますので、リラックスしながら自然回帰できる空間となりました。

施工前

施工後

【POINT】

窓側は向かいがマンションなので、目隠し効果を最優先にしています。ただし、まったく見えないように葉が密なパーテーション代わりの樹種ではなく、向こう側が見通せて空間を遮断させないことが大切になってきます。オフィスの窓側は北側、すなわちマンションは南側で終日で日が入ることになりますから、思いの外オフィス側の中までは見えないことになります。ですから、樹形が暴れていながらも透かしがあって見通せる樹種を選定することで、マンションの植栽を借景として位置づけ、内外のつながりを持たせて空間認識の奥行き感を出すことができました。樹形が暴れていることで、スペースを埋めることができるので、鉢数も少なくて済みますので予算を削減できます。

【POINT】 

来客様とのお打ち合わせなどで使うデスクスペースで気をつけたことは、植物が主張しすぎて気が散らないこと、打ち合わせをスムーズにいかせることの二点になります。来客様とスタッフが打ち合わせをする時は椅子に座ってします。その時に自然に人の目線がいくエリアや高さに植物を配置することで、相手に対して安心感や協調性を感じることができるからです。すなわち、植物を介して生産性を生むことができるのです。TVのCMやドラマ、雑誌などマスメディアには欠かせないアイテムになっているのは、不信感や警戒心を持たせずに信頼感や好感を持たせるためでもあり、植物のもつ効果にほかなりません。人の目線の高さに植物があればいいので、床置きの必要はなくスタンドで抜け感を出して広く見せています。

【POINT】 

窓際の背丈のある植物3鉢は、シェフレラという名前で同じ仲間ですが、種類がみんな違います。幹の太さや形、葉の色や形が違いますが、同じ兄弟なので空間的なつながりができて統一感を生みます。その代わりに、単品で置いている背丈のある植物は、個性のあるオブジェ的な役割を持つ樹種を選定することで、空間をキレイにし過ぎないようにしています。窓際のデスク前には、目隠し用のアレンジメントを配置していますが、ここは椅子に座って仕事をするので、目線辺りの高さがあれば十分解決できます。ちなみに、ここもシェフレラをメインで使っています。

 

 

このように、オフィスでも人の動線や行動心理などを考慮したうえで植物の特性を落とし込んだ空間デザインをすると、スタッフの方々はリラックスと良い緊張感を持つことで生産性を上げることができて、来客様もきっと良い印象をお持ちになることでしょう。また、弊社の場合は納品して終わりではなく、スタッフの方々が自身で植物を育てられるようにケアをすることが最大の強みであります。具体的には、植物の管理表(水やりの量や頻度、応急処置の仕方などお手入れに関するすべてのこと)をオーダーメイドで作成して、それをもとにレクチャーを実施して定期点検を行います(有料オプション)。これには意味がありまして、植物を自分が育てる愛でる意識のもと接すると、幸せホルモン(オキシトシン)が分泌されます。そして、このオキシトシンは唯一人から人へ移るホルモンと言われています。植物を育てることで、社内が活性化して良い環境が生まれるという循環が大切だと考えているからです。これは、個人の住宅でも一緒です。