緑に包まれている
導入事例
【お客様のご要望】
・緑がモリモリの空間にしたい
・どの場所にいても緑を感じられる
・植物の生命力を感じることが好き
施主様は、何気ない会話からも植物愛を感じられる方で、単なる好きだけではなく、その植物の生命力をテストして知識にしていることには、わたしもビックリ! 植物に美を感じるシーンがとてもお好きなようです。ご要望の中に、緑がモリモリにとありましたが、ただ植物の数を増やせばいいというわけではなく、人がリラックスしてパフォーマンスを上げる緑視率があります。この緑視率の最適値は10%~15%との報告がありますので、空間と植物とのバランスがとても重要になることが分かります。
家というのは、敷地が広い狭いに拘らず、天井高はあまり大差がありません。コンパクトハウスの場合は、この縦の空間をどう利用するかどう作るかが、とても大切なポイントになります。空間を広く見せるための大工さんの造作的な工夫があちらこちらにありますので、植物も抜け感をだす工夫をすることで、空間に調和を保ちながらも緑視率を確保するという具合です。それに加えて、植物の特性を最大限利用した配置の仕方をすると、自然美や植物美を感じられる空間になり、人は「いいね」と感じるわけです。
木格子の奥は手洗い場になっています。目隠しの格子を斜めにしている辺りは、大工さんのセンスですね!格子の手前に植物を置く時、みなさんならどんな植物を置きますか? 正解も不正解もないんですが。この場合の環境条件としては、天窓がある、スペースは狭い、高さは問題ない、格子と床の素材と色彩がハッキリしていることなどが挙げられます。それに対するアイディアとして、樹形はシンプルでスッキリしたラインのもので動線の妨げにならないもの、葉の色は木格子や床に負けないように濃い緑色のもの、葉数は剪定して調整することで木の格子が見えるように抜け感をだすことなどがあります。抜け感というと、床に置かずに浮かせるとか、遠くまで見通せるとか考えがちですが、葉数や樹高は剪定次第でいくらでも調整できますので、このテクニックができればだいぶ変わりますよ!
この写真を見て、植物の大きさはどのくらいだと思いますか? ケトルと比べると何となく(笑)。器の色と植物の樹形だけで、人の脳は大きくないと判断するわけです。人の脳は、視界の行き止まりまでを自分の空間と認識するそうです。すなわち、抜け感をだすことは、空間が広く見えると脳に認識させる作業ということになります。このように、空間を上手に利用することで、家が今より快適で楽しい空間になるといいです。