人は、なぜ緑を見ると落ち着くのか
人
人は花や緑を見ると、イライラが緩和され血圧下がり落ち着いたり、あるいは副交感神経が優位になりすぎて何もやる気が起こらない人はやる気が起こるという医学的結果が発表されています。これらの結果は、血圧ばかりでなく、瞳孔やNK細胞(自然免疫)の活性化などの生体数値をもって証明されていることです。
実証された千葉大学環境人間フィールド科学センターの宮崎先生によると、その理由は人類の歴史上700万年もの間、森の中で暮らしてきて、未だにそのDNAを持ち続けているからと。人のDNAが変化(進化?)するには2-3万年かかるのだとか。人類は都市生活をするようになってから、ほんの300年程度しか経過していません。つまり、森の中で生きるDNAのまま、この都市生活を送っているというわけです。
だからこそ、都市生活でストレスを受けるの至極当然の理。週末は森林浴をしたり、部屋やオフィスに花や緑を飾ると人の身体が反応して、バランスを整えようとする。従って、花1本からでも身の回りに置いて楽しむと気持ちが落ち着き、体の調子を整えるのに効果的と勧めています。
公園や緑の中を散歩していて、グリーンを見て気持ちが落ち着く理由は、DNAに関連してのことなのかもしれませんが、グリーンを見ると将来の生命に対する安全と安定を脳が直観的、且つ潜在的に認識するからかもしれません。
緑があるということは、肥沃な大地と適度な雨があり、人が過ごしやすい気温であることを示唆します。豊かな自然が生まれれば、食物連鎖で動物も集まり、穀物や野菜など農作物も採れて、事欠かずに生活を送ることができる。つまり、豊かな緑は子孫繁栄に直結することを本能的に理解するからではないでしょうか。
グリーンを見て私たちの気持ちが落ち着くというのは、生命維持の可能性が上がり、将来に対する不安感が軽減され、安泰な生活と子孫繁栄を認識できるから。そう考えると、得心がいくというものです。
引用:株式会社大田花き花の生活研究所BLOG